自然環境を回復させる狼の力

癒やし

神使として信仰されてきた狼

最近では、お守りの人気で話題となることが多い秩父の三峯神社ですが、その神使として現在でも多くの信仰を集めているのが「大口真神」。親しみを込めてお犬様とも呼ばれますが、実際には犬ではなく、ニホンオオカミです。

様々な神社に、神使となる動物がいますが、稲荷社の狐に並ぶほど、狼はポピュラーな神使といえるでしょう。西洋の昔話では悪役扱いされることが多い狼ですが、日本では害獣から農作物を守ってくれる存在として知られていました。

現在でも残る言葉として「送り狼」というものがあります。これは、女性を送っていった男性が豹変して襲いかかることを意味していますが、本来は霊的な存在を示していたのです。

こちらは夜の山道を歩く旅人の後ろをついてくるものであり、転んだ人は食い殺すというものもいれば、逆に害獣や夜の悪いものから守ってくれて家まで送ってくれるというものもいます。

ある説によると、ニホンオオカミは、人間を見かけると監視のために後を付いてくる習性があったために、そういった狼に出会った人たちの話からこのような存在が生まれたともいわれているのです。

このように、私たち日本人にとって、ニホンオオカミというのはなじみの深い存在だったわけですが、20世紀初頭には絶滅してしまいました。そんなニホンオオカミと同じように、絶滅してしまった狼が戻ってくることで、自然環境が回復したというケースが存在していることをご存じでしょうか?

狼が自然環境を回復させた

アメリカのパワースポットとしても知られている「イエローストーン国立公園」。こちらも日本と同じように20世紀頭に狼が絶滅してしまったのですが、1995年に生態系を回復させることを目的に、カナダから狼を連れてきたところ、たった数年で植物の生育がよくなり、渡り鳥の数が大幅に増え、さらに様々な動物が戻ってきたというのです。

さらに、20年たつと、動物だけでなく土地全体にまで影響がありました。川は野生動物の生育に好ましい環境へと変わり、谷間の植物も増えてきました。

なぜ、このようなことが起きたのかというと、狼に超自然的な能力があるから、というわけではありません。イエローストーン国立公園では、狼がいなくなって以来、天敵がいなくなった鹿が大量に繁殖し、植物はもちろん、動物の生態系まで崩していたのです。

狼が戻ってきたことで、鹿の数が減るだけでなく、鹿が狼から逃げるために特定の場所を避けるようになったことで、植物や川などといった場所にも影響が出て、全体的にみると、自然環境自体が整えられたわけです。

古来の人たちは、こういった狼の力を知っていたからこそ、たんなる動物ではなく、神使や、神そのものとして祀っていたのかもしれません。現在、日本でも鹿による農作物の被害が深刻化しています。

これは、狩猟者が減ったことなどもありますが、温暖化などの環境的要因もあるようです。この被害は想像以上であり、年間で150億円以上という莫大なものとなっているのです。農作物だけでなく、前述したように自然環境にも大きな影響が出ていますので、日本でも狼を再導入してはどうだろうか? という議論が存在しています。

少子高齢化となり、ますます害獣の駆除が難しくなる日本にとっては、狼の導入というのは、良い方法のように思えますが、アメリカほどの広大な土地がないために、狼が狂犬病にかかってしまった場合の対策や、家畜への被害があった場合の処理などといった問題もあり、簡単にはいかないかもしれませんが、ニホンオオカミの復活は無理としても、日本の国土に狼が戻ってきたら、エネルギー的にも変わりそうな気がしませんか?

COCORiLA編集部

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