ユーモラスな蛙が登場する、どこかファンタジーな行事

癒やし

7月7日に行われる面白い行事

7月7日といえば、七夕というイメージがありますが、奈良県にある修験道の根本道場、金峯山寺では一風変わったユーモラスな行事が開催されます。

その行事とは「蛙飛び行事」。へそ曲がりの男が蛙に変化させられてしまったことが由来の行事なのですが、人が蛙に変化させられるというと有名なグリム童話『かえるの王様』を彷彿とさせるものがあります。

洋の東西を問わない蛙に変身する逸話

『かえるの王様』の内容を簡単に紹介すると、ある国の王女が、泉に金の鞠を落としてしまい、そこに現れた蛙が自分を友達にしてくれるなら鞠を拾ってきてあげようと申し出て、王女はその条件を飲むのですが、実際には約束を破ってしまいます。

原作であるグリム童話ですと、このあと蛙が自力で王女に約束を守らせ、強引に友達になった上で、最終的に王女の怒りをかい、壁にたたきつけられることで魔法が解けて人間に戻ります。

しかしながら、原作よりも、王女が蛙にキスすることで魔法が解けるという物語の方がポピュラーかもしれません。『プリンセスと魔法のキス』というディズニー映画はグリム童話を原作にしながらも、キスによって両者が蛙に変化してしまうなどのアレンジが加えられています。

この物語も最終的にはハッピーエンドになることから、アメリカではこの映画を見た10歳以下の少女達が、本物の蛙にキスをして、サルモネラ菌に感染するなどという事件も起こったようです。

蛙の皮膚には寄生虫などが多く生息しており、世界一の猛毒をもつ「モウドクフキヤガエル」のように人間の命を一瞬で奪うほどの毒がある種類はそう多くありませんが、不衛生であり危険が多いことは確かです。

蛙飛び行事とは?

さて、童話の話はこれぐらいにして、蛙飛び行事に話を戻しましょう。こちらの行事の由来では、修験道の本尊である蔵王権現の悪口を言って、山伏の法力を馬鹿にしていた男が蛙に変化させられます。とはいえ、罰として蛙に変化させられるわけではないのが面白いところです。

男が蔵王権現の悪口をいっていると、どこからともなく大鷲が現れて断崖絶壁の岩の上に置き去りにされてしまいます。そこで、困った男は馬鹿にしていたはずの山伏に泣きつくのです、そこで山伏は男の姿を蛙に変化させて、岩の上から助けてあげたのです。

山伏が男を蛙に変化させた理由は語られていないのですが、おそらく小さいものにしたほうが手軽に救出できるからという考えからであって、嫌がらせでしたわけではないと思います。

とはいうものの、無事に救出されたあとに、その山伏の力では蛙から人間に戻すことができなかった、というあたりには、若干悪意を感じなくもありません。

結局、蛙になった男は蔵王権現の前で懺悔して、高僧に経文を唱えてもらうことで人間に戻れたわけですが、蛙飛び行事ではこのストーリーのうち、蛙になってからを再現していきます。

古い時代にはどうやっていたのかわかりませんが、現在ではちょっと気持ち悪いぐらいのリアルな着ぐるみの蛙が登場し、懺悔し経文を唱えてもらいます。

修験道というと、険しい山道をひたすら辿るというストイックなイメージが強いですが、うってかわってユーモラスな蛙の動きを見ることができるこの行事。お近くの方は是非参加してみてください。

COCORiLA編集部

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