女性にとってうれしい? ちょっと変わった中世の断食

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知られざる断食の効果?

COCORiLA読者の方ならば、断食にチャレンジしたことがある、という方も多いかもしれません。断食はたんなるダイエット目的だけのものではなく、むしろ、精神的に有用だといわれていますが、中世では、ちょっと変わったことを目的として断食をする女性が多くいたようなのです。

その目的とは、縁結びと縁切り。

なぜ、断食が人間関係や恋愛と結びつくのでしょうか? その秘密は「聖カタリナ」という人物。彼女は「シエナのカタリナ」とも呼ばれる、在家の修道女でした。現代まで名前が残るだけのことがあり、在家とはいえ、その経歴はなかなか異色なものです。

キリストと婚約した聖カタリナ

彼女は6歳の時に、夢でイエス・キリストに出会ったことがきっかけで、自分をキリストに捧げることに決めてしまいます。現在でいうと、小学1年生であるにもかかわらず、自分の将来を決めてしまったわけです。もちろん、両親を含めて周囲は反対し、普通の女性としての人生を送るようにすすめますが、彼女はかたくなに受け入れずに過ごし、6年後の12歳の時、再度、イエス・キリストからの啓示を受け取ります。

その啓示とは、彼女にしかみえない4つの宝石でできた金の指輪をキリストから与えられるという幻視でした。つまり、カタリナは12歳にしてキリストと婚約をしたわけです。この体験によって、さらに決意を固めたカタリナは、一生在家の修道女として過ごし、33歳で亡くなりました。

修道院に身を置かずに、自宅で修行を続ける在家でありながらも、彼女が自らに課した修行は修道院よりも厳しいもので、睡眠と食事を日課として削っていたといいます。特に断食はかなり厳しくしていたようで、周りが食事をすすめてもほとんど食べなかったのだそうです。現実的にいうと、だからこそ33歳という若さでなくなってしまったのかもしれません。

子供時代を含めて、多くの幻視や啓示を受け取っていたカタリナは、死後に聖人として認定されましたが、前述したように断食を日常的に行っていたこと、またキリストと婚約するような幻視をしたことなどから、冒頭に掲載したような俗信が生まれました。

中世の女性たちは、カタリナの加護を受けるために水曜日と金曜日に断食し、伴侶がいないものは良縁を得られるように願い、すでに伴侶がいるもので、それが意に沿わないものは、伴侶の早死にを願ったのだそうです。なんだか、日本の縁切りの願掛けと似たような想念を感じますが、それは東洋も西洋とも、数百年前も現在も変わりない人の心というものなのかもしれません。

6歳の頃から未婚を貫き、信仰に殉じたカタリナが、いつの間にか、俗な男女の縁結びや縁切りを加護するようになったというのも、人を食べていた鬼女である鬼子母神が改心して子供を守る存在とされたような感じもあり、本人はともかく聖人や神仏に人が期待する御利益というのは、いつの時代も変わらないということなのでしょう。

COCORiLA編集部

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