贈る言葉

健康

クライアントの命を救った判断

私のカイロプラクティックの師は複数いるのですが、その中のおひとりから伺った個人的に大変思い出深いことがあります。

数十年前、日本ではまだカイロプラクティックがあまり知られていなかった頃、彼はアメリカで正式にD.C.(ドクター・オブ・カイロプラクティック)の資格をとった数少ない一人として、積極的に全国を回って講演をしていました。

その、講演中のことです。
あるテクニックのデモンストレーションのため、受講生の中から希望者を募り、簡易テーブル(治療用のベッド)でその体を調べたていたそうです。
ところが、詳しく調べ行くうちに、このひとの状態はカイロプラクティック調整の範囲内ではない判断したうえ救急車を要請したとのこと、会場はざわめき、同時にものすごく白けたそうです。
華々しく紹介されたD.C.が何の実演をすることもなく、それどころかすぐに医療機関に委ねたことで、彼の経歴や技術はかなり疑われ、中には「なぜすぐに調整しないのか」などという非難めいた声もあがったとのこと。

ところが、救急車で運ばれたひとは病院で重大な疾患が発見されたそうです。
少なくとも、あの場でカイロプラクティックの手技を披露しようものなら命にかかわるようなものだったとのことでした。

そして、師はこう続けました。
「自分のところに来たクライアントに、”わからない”とか”(今の)自分では判断ができない”と言うことを恥じなくてもいい。それが結果的にクライアントの命を救うこともあるのだから」

はじめてクライアントに接する時に知っておくべきこと

あなたたちが独立して実際にクライアントと相対したとき。
その体の状態が未知のものであったり、テキストには書いてあった、あるいは授業中にでてきた覚えはあるけれど、調整方法があやふやで確信が持てないこともでてくるだろう。

が、それを彼らに隠しだてしてはいけない。
判らないから調べさせて欲しい、確認させて欲しい、または、自分には自信がないから違う専門機関に行って検査して欲しいといいなさい。

自分にも彼らにも、誠実に接しなさい。
仮に、病院で検査されて何も異常がなかったらそれでいいではないか。
それで彼らの命を救うことができるのなら。

自分の力だけで彼らの体を”治してやろう”なんて思いあがってはいけない。
自分の力を過信しないこと。
ヘタなプライドは捨てること。
私たちは所詮、たいした力を持っているわけではないのだから。

そういうお話しをされました。
このことを、明日、初めて現場でクライアントに接するというあなたに贈ります。

お互いに、自分にも他人にも、誠実でいれますように。

ありがとうございます。

佐倉ゆめか

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小中学校で養護教員(保健室の先生)をした後カイロプラクティック師に転身、ゲストの体の美と健康に貢献。のちに、心身だけでなく魂との調和も大切にして自分らしく豊...

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